無辜の人、アリバイ証明。

図書館の本が破られたり切り抜かれたり、かなりの被害が出ているらしい。注意されずに済まそうと返却ポストを悪用したり、「借りた時すでに破れてた」と言い訳をするらしい。
「借りた時すでに破れてた」。…これって、あの時の私のセリフそのまんま! いやいや、早とちりして私を嫌わないでほしい。どうか信じてほしい、私の無実を。
あれは忘れもしない7ヶ月前の出来事。私は図書館から珍しく洋書を借りた。洋書は高い。その本は、普通の和書単行本の2倍以上の値段だった。だからこそ図書館で借りたのだ。しかし、その本が、私が借りた時点で、中ほどの数ページが縦方向に派手に破れていた。あるページなんかは、もう残り数センチを残して繋がってるような状態であった。なので、司書の人に本の破れを指摘して、補修なり買い直すなり(そんな潤沢な予算はないと思うが)してもらおうと思って、返却時にカウンターで言ったセリフが、
「あの、これ借りた時には破れてたんですけど…」。すると司書の人(オジさん)、「ハイ。破れてた、ね」と冷淡だけれど明らかに「、ね」に含みを持たせた反応。あっ、この反応、完全に私が破いたと思われている。しかも高い本を。破いたけれど他の人のせいにして責任回避を試みてると思っている…。だって高い本だから。
こういう場合、どう切り出すのが一番良い方法なのだろうか? 私の言い方だと責任逃れに思われてしまったようだ。だからといって返却ポストへ直接投げ入れるのは、もっと無責任だ。ここはヒール役をかって、「この本は私が破きました」と言ってみるのが良かったのか? いや、それはマズい。司書の人に「では、弁償してください」と言われても困るのだ。だって高い本だから…。 長い割に、面白くない話でした。プププ。