スキマにスイッチ。

伊坂さんの新しい作風を読んで思ったのは、作家さんや作詞作曲している歌手は大変だな、ということ。売れるまでは色々チャレンジできるかもしれないけれど、注目されるようになったら完全な自由は難しい。例えば前に売れた本・曲などが、その人の持ち味として認識され、ファンはその持ち味を期待する。それでいて購買意欲をそそらせるには似たような作品・曲ながらも、どこか新しい感じを出さなくてはならない。全く同じではいけないから。ここが非常に難しいと思う。針に糸を通すような緊張感と集中力が必要だろう。新鮮すぎると「あの人は変わった」と言われ、同じだと「売れ線を狙いだした」と言われる。もちろん、その針のスキマに見事に糸を通した作品もあるのだろうけど、やっぱり批判に曝されたりするんだろう。歌手じゃなくて良かった。歌が下手で良かった…。