イメージの世界 1.

↑の話の続き。「(主に恋愛における)イメージの拡大*1」を穂村さんはユーミンの歌詞を例に出してを説明していた。歌詞による「イメージの拡大」には私も思う所があるので追随。私は歌を聴くときに歌詞を考える人なので、綺麗事を並べるだけの歌詞に「?」と眉をしかめる時がある。よく使われるフレーズは「生まれ変われるはず」「キレイになれるはず」「本当の自分(愛)に出逢えるよ」などの言葉。しかし考えてみれば、人間「生まれ変われる」はずもないし、「キレイになる」とはどんな状態のなのか、そして今はキレイじゃないのか。「本当の自分(愛)」は今の自分(愛)とどこが違うのか、などという疑問も多い。「リアルを探して」なんかも同じ感じだ。どれもこれも、どんな状態を示すのかが分かるようで分からない言葉たち。けれど陰陽でいえば、確実に陽のイメージの言葉が並ぶ歌詞。それはまさにイメージの世界、キレイな世界だ。現在も使用されるフレーズだけど、90年代の歌に多い気がするのは、誰もがキレイなイメージを追っていた時代だからなのだろうか、と穂村さん世代よりも下の私は思ったりするのであった。

*1:恋愛を通してお互い成長する関係・お互いが尊敬し合える恋愛関係などのイメージ。