「自炊」と読書と断捨離と、捨てきれない収集癖と。

どうもこんばんは、best_liliumです。

皆さん、1年と22日ぶりですね。
という「ガンダムW」ネタをやりたいがために、
本当に前回から1年と22日が経過した日に更新しようかと思いましたが、
今年は いつにも増して何もない年末年始なので、本日 更新します。

これまで このブログで書いてきたようなことを、
また ちょっとずつ書いていければなぁ、と思っています。


まずは ほぼ1年前の更新で書いた「ここ数年の沈黙に私が行ったこと」について。


それは、自炊です。


と言っても、2020年のステイホームとは関係なく、
読書関係における「自炊」です。


そう、書物の電子書籍です。


さすがに収納の限界を迎えた書籍の山に対し、ついに英断を下しました。


自炊を指南するブログで言及されている通りの商品、
スキャナと裁断機、そして そこそこ性能の良いパソコン(と保存用HDD)を揃え、
現在のところ、ほぼ全ての本を電子書籍化しました。

自炊作業へのやる気に波があったこともあり、何年も何年も、
一冊一冊 本をウィンウィンとスキャナに通す日々を過ごしましたとさ…。


だからこそ、実践者として私は言いたい。


そこそこ忙しい、そこそこ小金持ち は絶対にやらない方がいい!


そういう方は読みたい本から1冊ずつ本当の電子書籍を買い直しましょう。

普通に考えて、手間がかかり過ぎます。

本を読む時間が自炊作業に奪われてしまいます。

まさに本末転倒です!

世の中に お金をかけてでも「自炊」の代行を望む人がいるのは仕方がない。
自分でやるとなると手間ばかり かかります。

私が踏み切ったのは貧乏性で、ウン千冊の漫画とウン千冊の小説を
捨てることが出来なかったから、ただ それだけのことです。

しかも、小説など半分ぐらい未読のままだし…。


ただ、本を捨てずに 本を捨てることが出来たのは自炊ならではの喜びだと思います。

子どもの頃から読んできたけど、ボロボロで触れるのを ためらう状態となった
あの日の ドラえもん をデータとして残せたのは、自炊する意義の一つだと思います。

そして結果的に、部屋が広くなる恩恵にも与りました。
ウン千冊の本が無くなった訳ですから。

資源回収の日に収集場所まで何往復したことか…。

本棚は本棚としての役割を終え、粗大ゴミとなりました。


読書端末として、私はproではない標準iPadを使用していますが、
読み心地としては、小説・漫画共に快適です。

小説は、いま読んでいる行を画面の端に据えながら読むと
縦のラインが分かりやすく、読書の速度が出る、ような気がします。


ただ注釈の多い古めの小説(夏目漱石とか森鴎外とか)は、
巻末の注釈ページに移動するのが面倒くさいです。
実物の書籍ならば指なり しおり なり を挿むことで簡単に行きつ戻りつできるのですが。


漫画も、ワイド版のA5サイズ以外は、
通常のコミックサイズよりも画面が大きいので快適です。

感想文を書く際に、前後の巻を読み直したい場面も指先一つで移動できるのが便利です。


自炊作業そのものは、

小説の場合は かなり楽です。
一般的な300ページぐらいの本ならば、
スキャナにセットして放置しておけば終わってます。

歯磨きや皿洗い、日常の些事をこなす良い機会にすら思えました。


スキャナとソフトの関係で、
文庫版で1000ページを超えていた京極夏彦さんの一冊の小説を、
自主的に分冊にしなければならなくなったのには笑いましたが。


ただ、漫画の自炊は大変です。

自炊の最大の弱点は、スキャン画像に線が入ること。
裁断した切り口から零れ落ちたものや、糊の塊が線になったりしてしまう。

小説のスキャンでも たまに起きますが、文字が読めないということは まずない。

ただ、漫画の場合、気にし始めたら気になってしまうこと。
読書中に偶数・奇数、どちらかのページの同じ位置に線があるとストレスを感じます。

特に好きな漫画をスキャンする場合ほど慎重になってしまう。

このことは自炊意欲を削いでしまうで、
私は余程 気になる線 以外は放置すること決め、心の安寧を保ちました。


また小説・漫画ともに「表紙」を作ろうとすると、ひと手間です。

書籍から外してスキャンしたカバー1枚のデータを、
表紙と背表紙にPC上でトリミングする作業が面倒くさいです。

これをウン千冊 繰り返したのかと思うと、
我慢強いというか、もはや悲哀が漂うというか…。


でも漫画をスキャンしたデータがあるから、こんなことも自由自在なのです。

f:id:best_lilium222:20201211204735p:plainf:id:best_lilium222:20201211204730p:plain
2020年のベスト本。岩本ナオ さん『町でうわさの天狗の子』1巻より


では、自炊作業がほぼ終了して以降の私が買う本は、
全て電子書籍になったのか、と言うとそうではありません。

酷い時には、書店で新刊で買った漫画を一読した後、
次の日に解体してスキャンしたこともありました。

我ながら最初から電子書籍で買えよ、と思いますが、
やはり手触りなどを感じたいアナログな面も捨てきれずの折衷案です…。

また、自分で「自炊」したデータは.pdfファイルとして、どこにでも持ち出せる安心感があります。
どんな端末でも開け、データを簡単にコピーできるメリットは大きいかな、と思います。


以上、私の沈黙の数年間の読書関連の大きなトピックスでした。


こうして私の書物収集癖を阻む問題は、物理的容量から、データ容量へと問題が移行しました。
「これで私は あと10年は戦える」「自炊はいいものだ」。