禅宗脱却煩。

青春攻略本 第1巻 (花とゆめCOMICS)

青春攻略本 第1巻 (花とゆめCOMICS)

久々に大当たり! 売れている漫画が面白いのは当たり前ですが、まだ知名度の低い作家さん・作品で当たりを引くと殊更嬉しい。まぁ例によりまして『ダ・ヴィンチ』での紹介がきっかけで手に取ったのですが、これは本当に私好みの内容。高校生+青春モノに滅法弱い私デス。
まさに『青春攻略本』の題名に相応しいキラキラ眩しい男子高校生ライフ(ちょっと品行方正すぎるけど)。最初に心を鷲掴みにされた#1も好きですが、#2のクララ倉田の若さ故の不器用さが大好物(笑) #2のラスト2ページは笑いながら感動しました。洗練された無駄のない線も好みですが、モノローグの文章、台詞の内容がまた素晴らしい。バカバカしい事に全力投球してるけれど、青春が有限である事も自覚していて、モノローグで作品全体に寂寥感を漂わす。その対比・緩急の付け方が上手い。次巻は1年後だろうか…? 本当に待ち遠しい。
ただ一つ残念なのは、2年の3学期から始まった今作が、1巻終了時点で3年の夏休みの終わりまで経過している点。青春のタイムリミット間近! 『よつばと!』や『っポイ!』同様に、一日一日を全部書いてとは言いませんが、この駆け足はちょっと残念だ。まさか次巻で完結!? ここは1冊目で高校の卒業式まで書いたにもかかわらず、過去エピソードを挿入する事でシリーズを継続させている金城一紀さんの「ザ・ゾンビーズシリーズ」方式を採用するしかない。でも、1巻以前のエピソードだとクララ倉田と本格的に仲良くなる前だからなぁ…。「少女漫画は短くの会」の会員の私ではあるが、短すぎるのも問題だ。