フィギュアスケート世界選手権。

今更ながらの話題。男子の優勝は失礼ながら意外な人物。大技がなくてもノーミスで堅実な演技をして優勝を勝ち取りました。でも四大陸選手権での高橋選手の演技と比べると、やっぱり見劣りがする気もする(技術の優劣ではなく、果敢な挑戦とその達成という意味で)。
日本男子では小塚崇彦選手が凄かったですねー。初出場で8位。日本に3枠を持って帰るという目標をちゃんと有言実行しました。来年は胸を張って3枠に入って下さい。SP,FS共に冒頭の3-3回転に成功しませんでしたが、SPの滑りは圧巻。簡単に言えばキレキレで、滑る滑る。会場のお客さんも彼の滑りにどんどん魅了されていく様子が手に取るように分かった。FPでは冒頭の失敗を挽回する3A-3Tの成功と久々に3Loが決まったと思ったら、2度の転倒。特に3Sは惜しかったですね。今シーズンの最後の大会で大きく飛躍して、来シーズンは益々その滑りに注目が集まるでしょう。来年は芸術性の高いプログラムに挑戦してもらいたい。それには技術だけでなく本人の表現者としての意識も必要か。今は情感タップリの小塚選手の演技って想像がつきませんが、早く見てみたい。応援してます。
女子は浅田選手が初優勝。今シーズンは動きが「軽やか」から「流麗」に変わった気がします。SP大好きです。彼女の演技を見ると他の選手のステップがどうしてもぎこちなく見えてしまうほどの滑らかな動き。ジャンプも素晴らしいけれど、彼女の天性の器用さが引き出されたプログラムでした。
安藤選手は涙の途中棄権。全日本選手権のような演技を世界中の人に見てもらいたかったなぁ、と非常に残念に思う。その時その場で自分の演技が出来るようにするのも選手の責任なのだろうけど(高橋選手も)。
中野選手は素人目にはノーミスの演技なのに、厳格なルールの壁に表彰台を阻まれてしまった。でも転倒したならいざしらず着氷した3Aが、普通の2A以下の得点というルールは如何なものか。これは男子の4回転にも言えるけれど、意欲的な挑戦と失敗のリスクのバランスが変である。なんで3Aから2Aに基礎点が変わり、そこから更にGOEで点を引くのだろうか。3Aには回転が足りなかったかもしれないけど、2Aよりは半回転以上多く回っているんだぞ! もうこれは、すっげー2Aじゃないか! どこか私の論理はおかしいかしら(笑)?