嘘だと言ってよ、バニング大尉。

読売新聞27日(日)の書評欄(15面)の新聞広告に思わず涙がこぼれてしまった。
その広告は「本棚(ヒヨコ舎[編])」という本のもので、内容は「『本好きな15人』の本にまつわる様々なエピソードと本棚の写真をたっぷりと紹介した味わい深い1冊です」、とあった。
『本好きの15人』とは先日、芥川賞直木賞をそれぞれ受賞した川上未映子さん桜庭一樹さんを始め、角田光代さん石田衣良さん、本棚探偵としてもお馴染みの喜国雅彦さんなどの15人。その内容にも人選にもとても興味を惹かれた。しかし、50音順に並んだ『本好きの15人』の中に見慣れているようで見慣れない奇妙な名前を発見した。それは…
種村弘
はて、種村?
まさか…、これって…。泣いたね。歳を取ると涙もろくなるとは言うが、新聞広告を見て泣く日が来るとは。まさかの新聞広告での誤植。もちろん正しくは「穂村弘」である。amazonでも出版社のHPでも正しく「穂村弘」と明記されているにも関わらず「種村」…。しかもこの広告、50音順に並べた『本好きの15人』の人名の中で「種村弘」さんとおっしゃる人は、「中島らも」さんの「な」と「みうらじゅん」さんの「み」の間にいるのだ。もしかしたら「種村」とかいて「ほむら」と読むのかもしれない。そんなバカなっ!
穂村さん自身、よく「種村」に間違えられるとはエッセイで書いていたが、多くの人が携わるであろう広告で見事スルーパス(敵に)。こういう間違いが起こる事自体、穂村さんの存在の希薄さを表しているようで胸が苦しくなる(そして愛おしい)。「ほむほむ(穂村さんの愛称)」はこの一件で傷付いたりしないだろうか。「ほむほむ」は「ほむほむ」であって、「たねたね」ではない。
余談:一青っちのHPのProfileの「窈のお気に入り」の詩人の欄に穂村さんの名を発見して、また一段と一青っちを好きに。といっても私は詩人としての穂村さんにはあまり興味がなく、彼のダメ人間っぷりとエッセイが好きなのですが。