ゼロの殺人。

月館の殺人 上 IKKI COMICS

月館の殺人 上 IKKI COMICS

月館の殺人 (下)??

月館の殺人 (下)??

「鉄道館の殺人」+「月館の囁き」=「月館の殺人」、といった感じ。あっ、月館だけでも「館」の文字が入っているのか。下巻の途中までの緊張感や、下巻で明かされるある大きな仕掛け、言われれば気づく伏線などはかなり良かった。が、そもそも事件の発生が遅いし、下巻では緊張感が一転、佐々木倫子さんの持ち味であるコメディ要素が強くなって真相披露への期待や興奮までも途切れてしまうのが欠点。また下巻で漸く「館(やかた)」に入館(?)したのに、犯行は既に終わっているのも肩透かし。犯人に追い詰められる主人公、また探偵役が犯人を追い詰める描写が欲しかったかな。
そして真相。それでいいのか、綾辻行人。と言いたくなるような、あの真相。犯人があの人なのはトリックとしては面白いですが、あの結末はお粗末ともいえる…。なんかハッピーエンドっぽく終わってるけど、間違いなくバッドエンドですよね…。全体的にちぐはぐな印象の作品。漫画の値段は高いのに…。